【よもやま】おかげさま
2020年10月16日
因縁によって生じるところの一切のものは、ことごとく空です。
すべてのものは、お互いに依存する関係にあります。空なる状態にあるということは、固定的な我というものはなく、常に因縁によって変化しているということです。
厳密にいえば、昨日の自分と今日の自分は別人であり、明日もまた変化し続ける存在であるということです。
目からウロコガ落ちるという表現がありますが、今までの自分の思考のなかには全くなかったことに触れると、一変して世界が変わるような思いをします。まさしく昨日の自分と今の自分は、別人となったわけです。日々日常の生活のなかで様々な経験をし変化しつつ我というものを造り上げています。他人の一言が我を変え、我の一行動が他人を動かし世界を動かすのです。
我の存在は、空間的に互いに依存関係にありながら時間的には変化流転し続けているのです。
私というものは、すべてのもののお陰でい生かされているということに気づくことが重要です。「おかげさまで」「ありがたい」「もったいない」「おもてなし」 日本人が古来より大事に培ってきた心なのです。
自分の生活に対して、なんの懺悔も反省もなく、いたずらに世間を呪い、人を恨むことは全くお門違いなのです。自分の身体にくっついたシラミを憎む前に、私たちは、シラミを付けている自分の身体の不潔を反省しなければなりません。