圓明院
圓明院の本堂にたたずみ 心静かに
2025年11月02日


本堂の前に立つと、ふと足が止まる。
秋の風がゆるやかに吹き抜け、堂内の灯が柔らかく揺れている。喧騒の街から少し離れただけなのに、ここにはまるで時間が止まったかのような静けさがある。

合掌し、ゆっくりと息を整える。
「やりたいこと」「やりたくないこと」──その間で揺れる心も、今この瞬間はただ静まり返る。思い通りにいかぬ日々を嘆くこともあるが、家康の言葉が浮かぶ。
“不自由を常と思えば不足なし。”
そう、思い通りにいかないことこそが、人生そのものなのだ。

堂内に響く読経の声が、心の奥にしみわたる。
この静けさの中にこそ、答えがあるのかもしれない。
焦らず、比べず、ただ今を生きる。
榧の大樹の影に包まれながら、心がゆるやかにほどけていく。

今日もまた、静寂の中に祈る。
「どうか、この一日を、心穏やかに歩めますように。」

君津市圓明院の葬儀・家族葬・直葬

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