全ては、縁によって創られている
2025年11月13日
結べば草の庵かな
解けばもと野原なりけり
全ては、縁によって創られている。
縁が失くなれば元の姿。
私たちが「存在する」と思っているものは、決してひとりで立っているわけではありません。人とのつながり、環境、時間、そして数えきれない条件が巡り合い、今という形を生み出しています。これを仏教では「縁起」といいます。
縁が結ばれれば、新しい姿が現れます。家族も仕事も友も、そのひとつひとつがご縁の結び目です。しかし、いずれ縁がほどけるときがきます。すると物ごとは、本来の静かな姿に戻っていく。失うのではなく、流れに帰るだけなのです。
だからこそ、縁ある間は感謝と共に大切にし、離れるときはそっと手を合わせましょう。
結び、ほどき、再びめぐる。その中に、人生の味わいがあります。