圓明院
求道心(ぐどうしん)
2025年12月08日

求道心(ぐどうしん)
道を求める心がすべての始まり。「知りたい」「確かめたい」という小さな思いが、人生という長い道を静かに、しかし確かに動かしていく。私たちは日々、同じような朝を迎え、同じように夜を終える。その繰り返しの中で、いつの間にか一年三百六十五日は瞬く間に過ぎ去ってしまう。年の終わりにふと立ち止まり、「今年はどんな年だっただろう」と自問してみても、胸を打つ答えがすぐに浮かばないことも多い。しかし、問いが生まれるその瞬間こそが、求道心の芽生えなのかもしれない。

生きる力とは、ただ楽しいことの中から生まれるのではない。迷い、不安、満たされぬ思い、そして「このままでよいのだろうか」という静かな疑問の中から、確かに育っていく。仏の道もまた、完成された者が歩む道ではなく、迷いを抱えた凡夫が、一歩ずつ確かめるように進んでいく道である。求道心とは、完璧を目指す心ではなく、未完成の自分をそのまま受け入れ、「それでもなお歩もう」とする心の姿勢なのだ。

今日もまた答えに辿り着けぬまま一日が終わる。それでも問いを手放さず生きること、その姿こそが、すでに道の上に立っている証なのだろう。

永代供養は君津市圓明院まで
 
荘厳な雰囲気の中での葬儀
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