無碍自在(むげじざい)
2025年12月10日

無碍自在(むげじざい)
心にかかった“とびら”が静かに開くような…
私たちは日々、気づかぬうちに多くのこだわりを抱えています。「こうあるべきだ」「こうしなければならない」という思いが、心を縛り、人生を重くしてしまうのです。
しかし、そのこだわりは一体どこから生まれてくるのでしょうか。多くの場合、それは他者の期待や過去の経験、幼い頃に身につけた価値観、さらには自分自身への過度な理想から芽生えます。「こうすれば認められるはずだ」「失敗してはならない」といった思いが、無意識に心を縛りつけてしまうのです。
大切なのは、そのこだわりを“諦める”ことではなく、“明らかにする”ことです。心の奥を静かに照らし、「私はなぜこう思うのか?」と自問自答する。その問いこそが、自分を解き放つ鍵となります。
こだわりの正体が見えたとき、人は初めてそれを手放す準備ができます。まるで霧が晴れるように、道がすっと開けていく。無碍自在とは、外側の自由ではなく、内側の理解から始まる自由なのです。今日もまた、自らの心を明らかにしながら、軽やかな一歩を歩みたいものです。