圓明院
【よもやま】還暦を2年過ぎ
2020年08月28日

 酷暑も過ぎ、ようやく朝晩が涼しくなってきました。今年の初めは、清瀧観音のお祭りの企画で思いがいっぱいでありましたが、彼岸が過ぎ結局断念し、梅雨が過ぎ、今年のお盆は暑いだろうと気が重かったのですがあっという間に過ぎすずしい気配。1年があっという間に過ぎるこんな思いをするのは、いつのころかなと考えたら自分の年は還暦2年過ぎてました。

つひにゆく道とは かねてききしかど 昨日今日とは おもわざりしを –在原業平(ありわらのなりひら)–

生者必滅 会者定離(えしゃじょうり) あたり前の道理である。どんな華やかな人生を送ろうが、最後は死を迎える。
 人生を劇場に譬えれば「幕は開き希望に満ち満ちて場面ごとには大いなる感動、喜怒哀楽を堪能しつつも、最後の幕は、血なまぐさい。ついには、頭上に土をかけられ永久におさらば」でる。
誰でも、死を免れないと知っていても、あまり考えないもしくは考えたくない所が悲劇だとおもう。
 吉田兼好は云う「人は、本当の命の尊さを知らないで、外のたのしみを求めている。こういうほかの楽しみを求める心を捨てて、内なる心の楽しみを求めなければならない。それが死を恐れて、生を楽しむということである。」と
 ここでいう「内なる心の楽しみ」とは、心の満足 心の平安 ということでしょう。外の楽しみは、金銭 名誉 娯楽 などを指すのでしょう。
兼好はつれつれぐさのなかで世の無常を問い仏教に心の平和を求めようと訴えています。
科学は万能であるという主義が大手をふるいうこの結果は、地球環境破壊をもたらし人間の生存すら危ぶまれる時代を迎えております。

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