【よもやま】悟りの世界を覗く–道元禅師–
2020年10月07日
「正法眼蔵」「現成公案」
「人の悟りをうる、水につきのやどるがごとし。月ぬれず、水やぶれず。ひろくおほきなる光にてあれど、尺寸の水にやどる。全月も弥天も、草の露にもやどり、一滴の水にもやどる。」
ここでいうところの水は人を指し、月は真理(悟りの世界)を表しています。
人が、悟りを得るということは、水に月が映るようなものだ。月は、水の中にいるが濡れることもなく、また、水は月が入っているにもかかわらず、乱されることはない。月はすこぶる大きい光ではあるが、ちょとした水の中にも宿るし、一滴の水の中にもやどる。
仏教では、人が悟りを開く過程を新月から満月にいたる月の満ち欠けになぞらえて表現します。十五夜の満月を悟りの世界として表現します。