圓明院
【よもやま】万物は因縁より生ずる
2020年10月09日

因縁とは、「因縁生起」ということで、「因」と「縁」と「果」の関係をいった言葉で、「縁起」ともいいます。「因」とは、原因のことで結果に対する直接の力です。「縁」とは因を扶けて結果を生ませる間接的な力のことです。
キリスト教の聖書の一節に

一粒の麦 地に落ちて 死なずば ただ一つにて終わらん 死なずば多くの実を生ずべし

種を土の中に植えて、それに水、光、肥やしなど様々な縁の力が加わると、一粒の種は、時期を迎えるとたくさんの実を生むこととなります。多くの実を結ぶ結果となるには、種を蒔くという心の決定からそれに伴う行いを始として、多くの縁が加わり生まれるものが結果となるわけです。しかし、この喩えにあるように一粒の麦の場合のみを見ている場合はそうですが、人の関係はこのような単純な関係ではありません。

一切の物事の簡単に原因と結果という形式だけで解釈することは難しいのです。人の行為は、以前の行いの「結果」であり、これから生じる「原因」であり、これから生じるであるだろう結果に対する「縁」なのです。時間的にも空間的にも切っても切れない密接的な関係にあります。

つまずく石も縁のはし    袖ふり合うも他生の縁

川の流れ、大樹の陰これもみな他生の縁なのです。何も関係のないように見える光景全てが「縁」であり「因」で「果」なのです。いま川の流れを見ているのも何かの「因」にもとずいての「果」でり、この情景が心に映ることにより。また新たな「因」を創るのです。このことが他人を感化し自らを感化するのです。

このように縦横無尽に人々の関係がお互いに関係し合いながら造り上げているというのが真実です。私たちの世界は全てが関わりながら、影響を与え複雑に絡み合っています。インターネットの普及により、一個人が全世界を謁見することもあり得るのです。ピコ太郎(古坂大魔王)が何気なくあげた動画をジャスティン・ビーバーが「お気にいりの動画」としてツイートした結果ピコ太郎はアメリカまで遠征することになり国内ではCM起用となるスターになるわけです。

万物は因縁より生ずるとは、物(人)の存在は、固定限定されたものではなく、常に「因」「縁」により生まれ変わるということをのべたものです。私たちの存在はもとより全ての存在は無常なのです。無常とは「常ならず」ということです。縁により常に変化しつつ存在する無常の存在が真実の姿なのです。

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