【よもやま】今一度「周利槃特(シュリハンドク)」
2020年10月23日
三業に悪を造らず、諸々の有情を傷めず、正念に空を観ずれば、無役の苦しみは免るべし
この言葉は、かの有名な茗荷(みょうが)の主人公周利槃特(シュリハンドク)にお釈迦様が覚えるようにいわれた言葉です。
➀ 「三業(さんごう)に悪を造らず」とは、身口意に悪いことをしないということです。
➁ 「諸々の有情(うじょう)を傷めず」とは、みだりに生き物を傷つけないということです。
➂ 「正念に空を観ずれば」とは、一心に専念して、物事に執着せず修行すればということです。
➃ 「無役(むえき)の苦は免れる」つまらない苦はなくなる。
この経文の言葉をどうしても覚えることができない彼にお釈迦様は、「塵を払い 垢を除かん」と簡単な言葉を教え彼は悟りを得たというお話です。
私たちは、苦を除くためには、諸行無常や諸法無我や空に徹しろなどいろいろ難しい事を学ばなければならないと思いがちですが、苦を除く(さとりを開く)ためには決してたくさんのことをおぼえるということではありません。たとえわずかなことでも、ちいさいひとつのことでも、それに徹底しさえすれば、苦は除かれる(悟りは開ける)ということをお釈迦様は説かれたのです。