圓明院
享年と行年を考える
2022年08月23日

「行年」は、「この世に生まれて何歳まで生きたかを表す言葉、娑婆で行を積んだ年数」という意味です。「ゆくとし」ではなく「ぎょうねん・こうねん」と読みます。「行」はもともと時間の経過を表す意味があることから派生し「何歳まで生きたか」という意味を持つようになりました。記載方法は行年◯歳(年齢)とします。

対して、「享年」は「天から享(う)けた年のこと、何年生きたかを表す言葉」という意味を持ちます。記載方法は数え年で書き、読み方は「きょうねん」です。テレビなどで「享年◯」と書かれているのは、◯年生きたということを表します。

「行年」と「享年」の使い分けは、以下のとおりです。

*行年は霊園やお墓などで使用されることが多い
*享年は寺院に入れるお墓や位牌などに使用されることが多い

また日本には、還暦など年齢に関係する節目の際に寺院などで祝い事をする風習があります。その流れから、故人の亡くなった年齢も「天から享(う)けた命」、良きものとして考えるようになり「享年」を用いることもあります。(https://www.houyugroup.co.jp/topic/topic_manner/gyounenn)

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上記のように「行年」と「享年」では、行年は生まれてきてからの「満年齢」で享年はこの世に生を受けた(受胎した)時からの年数というように解釈できます。昨年だったかと思いますが、当寺院では、行年○○歳と表記し、数え年を記載しておりますが、葬儀終了後49日を迎える檀徒さんから仏具屋さんに位牌を注文しに来たのですが、行年は満年齢の意味だからこの位牌は、間違いだからと言われて慌てて電話をかけてきました。

行年と享年の意味からすれば、行年は満年齢を記すべきでしょうが、日本で満年齢を一般的に使用されるようになったのはつい最近なのです。

戦前までは、年齢といえば数え年が一般的でした。ですから墓石や位牌などの刻字も行年と表記しても数え年が刻字されました。そもそもアジア諸国では、数え年の考え方しか無かったのですから当然のことです。

つまり、明治以前の墓石や位牌などに記されている行年の年齢は、数え年がほとんどなのです。当寺院では、古来の風習に則って行年で数え年を記載しております。

数え年 – Wikipedia を参照ください。

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