生をうけたるは幸い
2025年11月04日

弘法大師のこの言葉を胸に、今朝、圓明院のご本尊に手を合わせた。
静かな堂内に差し込む光が、ゆっくりと揺れながら本尊を照らす。
その瞬間、胸の奥からじんわりと温かいものが広がっていった。
それは説明のつかない、不思議な感覚。
まるで「今、生きていること」そのものが仏の慈悲に包まれているようだった。
日々の悩みや焦りは尽きないけれど、
この命が授かったこと自体が、すでに尊い奇跡なのだと気づかされる。
息をしていること、光を感じること、誰かを想うこと。
そのすべてが「生の喜び」であり、「感謝の祈り」なのだろう。
本堂を後にすると、秋風がそっと頬を撫でた。
その風までも、仏のぬくもりのように優しく感じられた。