圓明院
一灯照隅
2025年11月23日


声 by 動画制作会社VIDWEB
「一灯照隅」とは、一つの灯火がまず自分の周囲を照らす、という弘法大師の教えです。世の中を一度に良くすることは誰にもできません。しかし、自分がいる場所、目の前の人、今日出会う出来事に対し、ひとつの優しさを差し向けることはできます。その小さな善い行いこそが灯火となり、やがて周囲をも照らしていくのです。

圓明院の朝もまた、一灯の光のようです。薄明かりの境内に梵鐘が響き、田園を渡って遠くへ広がっていきます。しかし、その音はまず、寺の片隅から静かに始まります。まるで「自分が照らすべき隅はここにある」と語るように。私は四十年、この寺でこの灯火を絶やさぬように歩んできました。大事なのは、遠くを照らす力ではなく、足元の一歩を温める心だと教えられてきたからです。

人は皆、それぞれの場所で灯火を持っています。笑顔で声をかける、落ち葉をひとつ拾う、仏に手を合わせる──どれも小さな行いですが、確かに誰かの心の隅を照らす光になります。多くを求めず、今日の一灯を大切にすること。やがてその灯が重なり、世界は自然と明るくなっていくのです。

永代供養は君津市圓明院まで
 
荘厳な雰囲気の中での葬儀

一覧に戻る