精進不退(しょうじんふたい)――諦めなければ道は続く
2025年12月09日

精進不退(しょうじんふたい)――諦めなければ道は続く
精進不退とは、たとえ困難に直面しても退くことなく、静かに、しかし確かに歩み続ける心の姿勢をいう。人生は思い描いた通りに進むことばかりではない。努力が報われないと感じる日もあれば、進んでいるのかさえ分からなくなる夜もある。それでも一歩を止めず、今日できる小さな一歩を積み重ねていくところに、精進不退の真の意味がある。
諦めなければ道は続く。道とは、最初から目の前に整えられているものではなく、歩き続ける者の足元に、後から静かに現れてくるものだ。立ち止まった瞬間、道はそこで途切れたように感じられるが、再び歩き出せば、また新しい景色が開けてくる。進み続ける者にこそ、次の景色が与えられるのである。
しかし、ただ闇雲に進めばよいのではない。そこには確固たる目標が必要だ。目標とは、成功や名声だけを指すものではない。「どのような自分で在りたいのか」「何を大切にして生きたいのか」という、心の北極星のような存在である。目標があるから、人は迷いながらも進む方向を見失わずに済む。
精進不退とは、強く無理に踏み出すことではなく、弱さを抱えたままでも歩みを止めないことだ。たとえ昨日よりわずかでも前に進めたなら、それは尊い前進である。焦らず、比べず、自分の歩幅で進み続ける。その積み重ねの先にこそ、昨日とは違う確かな風景が、必ず静かに待っている。