圓明院
【よもやま】あの世とこの世 Ⅱ 通夜とは
2020年09月06日

 最近では、人が着物を着る機会が少なくなったのであまり耳にすることがなりしたが、着物を間違えて左前に切ると「それは、死人の真似だから」とか「お茶を薄めるのに水の中にお茶を入れると死人の真似」だとか言われいました。
 死者には、確かに着物をこの世のしきたりとは、逆の左前にして着せ飾ります。昔は、背広を上下に着せ飾っていたこともありました。日本人の「あの世観」は、「この世」とは全て逆にあるという世界観を持っています。そして、死者は旅支度を整え、六文銭を携えて死出の旅に向かったのです。
 

 さて、本題の「お通夜」ですが、あの世とこの世は、すべて逆であるということは、この世の朝は、あの世の夕方であり、この世の夕方は、あの世の朝にあたります。
もともと、朝方は「かわたれ」夕方は「たそがれ」とどちらも薄暗くて「彼誰」「あれはだれ」と薄気味悪く霊がさまよう時期であるという。あの世で旅支度をして朝一番に出発するには、この世の「たそがれ時」に出るのが一番ということになる。
 つまり、夕方から始まる「お通夜」は、昔は、死者のための「葬送の儀」今でいう「本葬儀」にあたるものでした。「お通夜」の夜通し線香を絶やさず行うのは、あの世の「日中迷わずに行くべきところ」に着くことを願って行うものなのです。

 アイヌでは今でも葬儀は夕方行われるそうですし、明治天皇の葬儀は、夕方始められました。
参考
明治天皇崩御(明治45年7月)7月30日、明治天皇崩御。59歳。
9月13日夜 青山練兵場にて御大喪式挙行。
9月14日 京都府桃山御陵御埋棺式。
9月15日 跡始末御祭典。

この「あの世とこの世」は、すべて逆の世界とう世界観はいつの頃からなのでしょうか?—つづく—

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